フィルムで見る、西新宿。

皆様ご無沙汰しております。熱川楓です。

まえがき

今回は、フィルムで見るシリーズの第二弾として私が大学時代によく通った西新宿を記事にしようと思います。西新宿に通っていた理由は、ここには80年代から90年代の面影を色濃く残した建築などが数多く現存しており、その空気感が自分の嗜好に合致していたからです。

 

西新宿の顔

西新宿といえば小田急百貨店のイメージが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。私もその一人で、この景色を見ると新宿に来たことを改めて実感します。

冒頭に80~90年代云々言ったところですが、小田急百貨店の竣工は60年代。リニューアル工事も経験しているとはいえ外観は60年代の面影を色濃く残していることに感動すら覚えます。しかしここも既に再開発の計画が提示されており、解体までそう長くないとのこと。とても印象的な建築なだけに悲しいです。

 

※写真は1985年に竣工の「カリヨン橋」から見た小田急百貨店。タイルの模様や花壇の意匠が実にレトロですね。

OM-1N+ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

変わりゆく西新宿

いくら昔の面影を残しているとはいえ、新宿という街がいつまでも変わらないわけがなく「新宿の目」で有名なスバルビルはもう跡形もありませんし、この写真を撮影した時には明治安田生命のビルも解体の真っ最中でした。西新宿を代表するビルが数を減らしていることには寂しさを覚えます。

写ルンです シンプルエース

不変のバスターミナル

最初に見た小田急百貨店からくるりと振り返った場所に佇むバスターミナル。このバスターミナルは当時(60年代)の写真と見比べても大きく変わりありません。こうして記事を書いていると西新宿(というよりは新宿駅西口)は60年代の建築が思ったより多いことを再認識しました。

写ルンです シンプルエース

オールドスクールな喫茶店”ピース”

ここは珈琲の店、ピース。小田急ハルクの一階部分にある喫茶店。私は現像店にフィルムを出した後、現像が仕上がる間ここで過ごすのが好きでした。私としては今のご時世、全席喫煙OKというのも嬉しいポイントでした。名前もピースですから?(お店のロゴもあのピースのロゴにそっくり)。

New FM2+AI Nikkor 50mm f/1.4S

帝都高速度交通営団

ピースの近くにある地下鉄の入り口付近に営団地下鉄時代のプレートが現存していました。ビスの錆とクリーム色に少し焼けたプレートがとても良い味を出しています。

しかし帝都高速度交通営団とは本当に厳めしい響きだと思いませんか。どこか質実剛健なイメージが湧くので私は好きです。

New FM2+AI Nikkor 50mm f/1.4S

パンタロンビル

少し脱線してしまいました。最後は私が西新宿で一番好きなビルの写真でお別れしたいと思います。それは「パンタロンビル」こと安田火災海上ビル(現:損害保険ジャパン本社ビル)です。裾が広がっている特徴的な外観とツートンカラーのシンプルな色使いが気に入っています。

New FM2+AI Nikkor 50mm f/1.4S

New FM2+AI Nikkor 50mm f/1.4S

あとがき

フィルムで見る、西新宿。いかがでしたでしょうか。ここでは紹介できませんでしたが、巨匠”丹下健三”氏による東京都庁コクーンタワーなど特徴的で魅力的な建築が数多いのがここ西新宿です。その辺りもまた機会があれば紹介したいと考えています。ここまで当記事を見ていただき本当にありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。